こんにちは、だいです。
先日ヤフーニュースで『日本の対外純資産、過去最高 純資産横ばい 20年末』というニュースがありました。→ヤフーニュース
そこでこんなリプライをしたら、意外にも結構反応がありました。
対外純資産というのはまさにコレなんですが、「もう少し詳しく知りたい」という方に向けて、ちょっと踏み込んで解説していきます。
というわけで、知っておきたい日本の話「対外純資産」です。
対外純資産とは?
まず対外純資産は、「日本が外国に対してどれだけ純資産を持っているのか」を表しています。
純資産というのは、資産から負債を引いたものです。
例えば私が株式(資産)を100万円分所有していて、それを買う為に80万円銀行から借りていた場合、純資産は(100万-80万で)20万円です。
そしてこの対外純資産は政府の話ではなく、企業や個人も入っています。
つまり、私が自分の持ち金でアメリカのAmazon株を買ったら日本の対外純資産がほんのちょっと上昇します。
対外純資産が多いってどういうこと?
お金持ち
まず、単純にお金持ちということです。
そう、日本はお金持ちなんです。
資産と負債で分けて考えると、分かりやすいかと思います。
まず、日本は国外に沢山資産をもっています。これは、国外にたくさんお金を貸しているようなものです。
そして、日本は国外にあまり負債をもっていません。これは国外からはあまりお金を借りていないということです。
合わせると、日本は資産をたくさんあるし、借金も少ない。つまり、お金がたくさんあるということです。
そんなわけで、日本の通貨「円」は、世界中で安全資産と認識されています。これは日本がお金持ちなので、円を持っていれば一番リスクが少ないと考えられているからです。
例えば、世界全体が不景気になったらみんなが円を買って、円の価値が上がります。これが円高。
下の図は新型コロナウイルスが流行して、世界的に株安になった「コロナショック」の時のドル円チャートです。
1ドル112円から102円くらいまで、勢いよく落ち込んでいるのが分かるかと思います。
これは、円の価値が暴騰し、相対的にドルの価値が下がっていることを表しています。
国内需要がない
対外純資産のもう一つの側面は、国内需要です。
先ほど「私がAmazon株を買ったら、日本の対外純資産がちょっと増加する」といいましたが、そもそも国内に需要があれば、Amazonに投資する必要はありません。
わざわざ海外に資産を持たなくても、日本に需要があれば国内に資産を持てばいい話です。
つまり、対外純資産は国内需要がないということの裏返しという訳です。
こうして考えると、「お金は沢山余っているのに国内に投資先がない」というのが対外純資産として現れているので、日本が30年連続で首位になりました。と言われてもあまり喜べない話なのです。
アメリカはどうなの?
では一方、世界一の経済大国「アメリカ合衆国」の対外純資産はどうなっているでしょうか。
財務省にデータがあったのでみてみましょう。
なんとアメリカはダントツの対外純負債国で、その数値は▲1076兆円でした。
これは、外国からの投資がアメリカに集中していることが大きく関わっているのだと考えられます。日本でも米国株式なんかに投資する人は多いですよね。
つまり対外純資産は、経済力とそこまで関係が無いといえます。対外純資産の大小で、一概に経済力を判断することはできないのです。
まとめ
今回は対外純資産について解説しました。まとめるとポイントは次の3つです。
ツイートで経済規模って書いてますが、経済規模だとGDPのことになってしまうのでちょっと違いました。
日本は投資による所得収支によって対外純資産を稼いでいるので、GDPの外の話になってしまいます。申し訳ありません。
今回の記事でもよく分からなかった点、もっと聞きたい点があったらぜひコメント欄にお願いします!
日本はどうして投資先を作ったり、国内内需を増やすことをしないのでしょう
か?
インフラも老朽化してるし、少子化や困ってる人も多いのに上手くお金を、ま
わせないのでしょうか?
わぁ~~良く解った。簡単で良く解る解説が一番いい解説だ。